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「馬を洗はば馬のたましひ冴ゆるまで人恋はば人あやむるこころ」(塚本邦雄、『感幻樂』) 《夕子流意訳》 馬を洗うんだったら、馬をきれいにするだけじゃだめ。馬の内なる魂がさやかに顕れてくるまで一所懸命に、心を込めて、真剣に洗ってあげるべきだわ。恋も同じ。真剣勝負よ。覚悟が必要だわ。わたしはそれを知っている。だから、わたしのすべてを献げて、あの人の魂を愛するの。 殺人と恋・・・ まったく場違いな二つの言葉 それが同じレベルで歌の中に詠まれている。 実は、この二つにはひとつの共通点があるのだ。 それは、どちらも人に対して流れ出す 抑えがたいほど激しい魂の奔流であるということだ。 人を殺めるということは、 どんな理由があるにせよ、許されることではない。 倫理的にもそうだが、そんなことをしたら自分の人生も破滅してしまうだろう。 しかし、それを百も承知でいながら、 なおも制することができない激しい憎しみ、恨み、辛みの衝動の果てに 殺人は起こるのだ。 わたしの恋も同じ。 互いに家庭を持つ身でありながら、愛し合うことは許されない。 家族や周囲の人々を深く傷つけることにもなるだろう。 そういう倫理感や理性に縛られ、責められ、罪の意識に苛まされながら なおも止めることができない魂の奔流・・・ もしも、この激しい内なるものが愛ではなく、憎しみだったら わたしは間違いなく殺人者となっていただろう。 それがわたしの恋・・・ 《夕子のもう一言》 世に草食男子と言われる男の子たちがはびっこているらしいわ。ウィキペディアによれば、草食男子とは、 「恋愛やセックスに縁がないわけではないのに、積極的でない」 「女性を単なる異性対象ではなく、ひとりの人間として平等に尊重する傾向が強い」 「恋愛至上主義的な風潮に踊らされずに、家族や仲間と過ごすのを大切にする」 「傷つけられたり、他人を傷つけることを嫌い繊細である」 「恋愛に使わないエネルギーは趣味や仕事、ファッションに向かう」 「女性に誘われれば旅行やショッピングに同行するが、恋愛に発展しないことが多い」 「性風俗を無駄なことと思い、お金を使わない」 「いい人止まりになりがち」 「女性と一晩過ごしても何もせずに普通に寝る」 「外出より部屋にいる方が好き」 「甘いものや料理が好き」 「国内旅行は好むが海外旅行に対する興味は薄い」 このような優しくて、繊細で、がつがつしていなくて、スマートで、小綺麗な男の子たちのことだと書いてあるわ。聞こえはいいけど、わたしに言わせればひ弱な去勢男子ね。塚本邦夫先生なら、きっと男の子たちの股間をギュッと掴んで、こう言うと思うわ。 「お前たちにはキンタマがないのか!」 うふふ、わたしのあの人はティラノザウルス級の肉食系よ。すっごく激しいの・・・ああ〜ん、夕子、こわれちゃう。
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テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学
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