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奥深い山の中にある湖にあの人と出かけた。 穏やかな浅葱色(あさぎいろ)をした水面が、初夏の陽にキラキラとまばゆい。 あなたと居る幸せが胸にこみ上げてくる・・・ 湖面は清(さや)に安らに浅葱なり 君の在ますが胸に満ち来る 「ほら、魚だよ」 見れば二つの魚影が並び添い泳いでいる。 そして、浅葱色の深みの中に消えていった・・・ 君といま同じ湖面を見下ろして涯なきへ誘ふ魚影追いひゆく 人影のない木暗れ道を、 あの人にぴたりと寄り添い歩いていると 風に揺らぐ木々のさざめきにあわせて 木漏れ日がゆらゆらと光の音楽を奏でていたわ。 木暗(このぐ)れに射したる光きらきらと 音なき楽をふたりで聴けり 「あっ・・・」 息を呑んで、あの人が草むらを凝視している。 何かを見たらしいわ。 大きなネズミ? イタチ? ハクビシン? でも、わたしが見たときにはもう何もいなかったの 息を呑み眸ひらきて君が指す異形の影はすでに跡なき あの人は極度の方向音痴。 そして、わたしも・・・ 「ふたりで遭難したいよ」 なんてうそぶいていたあの人だけど、 実際、迷子になるとちょっと焦っていたみたい。 木下(このした)の径のかたへの刈株(かりばね)に息つきをれば風の音する 《夕子のもうひと言》 今日はちょっといつもちがった感じでまとめてみました。うふふ、なにしろ「大人の遠足」ですから、ここにかかなかったこともあるわ。誰もいない山道で、やばい夕子とあの人がすることといったら・・・うふふ、わかるかしら? それはそうと、夕子の短歌がまたまた『短歌研究』に掲載されたのよ。今回はいつもの「うたう☆くらぶ」ではなく、「短歌研究詠草」というちょっとレベルが高いページに載ったので嬉しいわ。選者は夕子が私淑する高野公彦先生。しっとりした浪漫主義の歌を詠む先生よ。前に二回ほど高野先生の歌を紹介したわ。( 「闇に汝を抱き」 「耳もとを濡らして」 ) 夕子を応援してくださる方は、クリッとしてね。
クリッ
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